PoE (Power over Ethernet) とは

2018年10月12日 - Written by NETGEAR Japan
カテゴリー: LANスイッチ, PoE (Power over Ethernet)

PoE(Power over Ethernet)とは

PoE(Power over Ethernet)は、パソコンや複合機などイーサネット(Ethernet)を利用する機器が使用しているLANケーブルを使って電力を供給する技術です。
IP電話機やIPカメラ、無線LANアクセスポイントなどを設置する際に利用されます。

 

メリット

工事免許が要らない
電力を必要とする機器を設置する場合、電気配線工事を行う必要があります。 電気配線工事には資格が必要で、ネットワーク敷設作業以外にも専門の電気工事事業者へ依頼しなければいけません。 しかし、PoEを利用するとネットワーク工事だけで作業が終わりますので、工期や費用を抑えることができます。

設置環境がスッキリ
データ通信用のLANケーブルと電力用の電源ケーブルを1本にまとめる事ができるので、レイアウトがスッキリします。

電源の管理・制御が簡単
スケジュール機能などをサポートしている機器を使用すると、PoEで動作している端末の電力をOff/Onする事ができますので、 利用の制限や使用していない時間帯に電力を停止する事ができます。

 

PoEの仕組み

PoEはイーサネットケーブルを利用して48Vの電力を供給します。給電(PSE)に対応したスイッチングハブと受電(PD)に対応した機器が必要となります。

給電(PSE)
PSE(Power Sourcing Equipment)は電力を供給する機器になります。
主な給電対応機器にはスイッチングハブやPoEインジェクターなどがあります。

受電(PD)
PD(Powered Device)は電力を受ける機器になります。
主な受電対応機器にはIPカメラ、無線アクセスポイント、IP電話などがあります。

 

他社製品との接続性について

PoEは標準規格なので給電と受電のメーカーが違っていても問題なく接続できます。ただし、標準規格が決まる前の古い製品(2003年頃)は標準規格をサポートしていない場合がありますので、規格に対応しているか確認が必要です。

 

PoEの規格

PoEの標準規格としてIEEE802.3afとIEEE802.3atがあり、afは15.4Wでatは30Wまで対応しています。  IEEE802.3afをPoE(ピーオーイー)、IEEE802.3atをPoE+(ピーオーイープラス)と呼んでいます。

規格 クラス 給電電力 受電電力
IEEE802.3af 0 15.4W 0.44~12.95W
1 4W 0.44~3.84W
2 7W 3.84~6.49W
3 15.4W 6.49~12.95W
IEEE802.3at 4 30W 12.95–25.50W

 

PoEのクラス

PoE/PoE+対応の機器は電力に応じて0~4のクラスに分けられます。 受電機器(PD)は給電機器(PSE)に接続すると、クラスの情報を給電側(PSE)に送信し、給電側(PSE)は受電側(PD)のクラスに応じて自動的に供給電力を調整します。

クラスがあがるにつれて必要な電力量も大きくなり、クラス4はPoE+対応の機器だけが使用することができます。

クラス0は、クラスが未定義の場合などに使用されます。

 

利用できるケーブル

IEEE802.3afではカテゴリ3以上のLANケーブル、IEEE802.3atではカテゴリ5e以上のLANケーブルを利用するように決められています。
ただし、現在のネットワークは1Gのネットワークが主流になっていますので、カテゴリ5e以上のLANケーブルを利用することをお勧め します。

 

PoEパススルー

PoE受電(PD)対応のスイッチングハブが受け取った電力で稼動しながら、さらに受け取った電力をアクセスポイント、IPカメラなどの機器に電力を中継する機能です。
PoEを利用できる最大距離はイーサネットの規格で決められた100mまでとなりますので、工場などでは距離が足りない場合があります。そのようなときにPoEパススルー機能を利用するとさらに100m、合計200mまでPoEで利用する距離を伸ばすことができます。