ネットギアのビジネスソリューション|ネットワーク機器・ネットワークストレージのネットギア

はじめに

ビデオ監視はビジネスにとって非常に重要です。様々な組織がビデオ監視を行い、人々の安全や貴重な財産を守り、犯罪行為によるリスクを最小限に抑えています。

以前は、大企業のみがIPビデオ監視を取り入れることができました。今日では、これらのソリューションはIPネットワークの急増やIPビデオカメラの価格低下により、小売店、教育機関、政府機関、その他監視セキュリティを必要とするあらゆるビジネスをはじめとする様々な業種にとって魅力的な選択肢になりました。

監視における最も大きな傾向は、アナログからIPへの移行が加速していることです。 アメリカ合衆国では現在、約1500万もの監視カメラが備え付けられていますが、そのほぼ10%がIPをベースにしています。

ビデオ監視システムの進化

ビデオ監視、またはCCTV(閉回路テレビ)は、30年間にわたって技術の変化を受けて改良が続けられた産業です。近年では、IP帯域幅やストレージの価格が史上最安値になったことで、IPネットワークを使用したビデオキャプチャーおよびストレージは、より早くシンプルに、そして買いやすい価格になりました。現在では、幼稚園から高等学校、公共図書館、ホテル、小規模な工場または施設などで、包括的なビデオ監視をすることができます。この次のセクションでは、厳密にはアナログから、アナログ及びデジタルのハイブリット化、さらにデジタルネットワークへと移行したビデオ監視の進化について説明します。

アナログCCTVシステム

過去20年間においては、ほとんどのモニターや監視機器には、アナログ技術が使われていました。アナログカメラからの画像がビデオカセットレコーダー(VCRs)に記録されていました。(図1参照)このソリューションは、管理可能な求めやすい価格で、使用方法も簡単でした。しかしながら、アナログシステムには欠点がないという訳ではありませんでした。

アナログのCCTVシステムでは、通常遠隔操作ができず、他のシステムとの統合が非常に困難でした。アナログシステムの管理には人の手が必要不可欠でした。オペレーターはテープを入れ替える必要があり、システムのメンテナンスも行わなければなりませんでした。テープの摩耗という問題も付きまといました。記録された映像は解像度が低く、公式捜査には不十分です。

図1:アナログCCTVシステム
IPネットワーク上のビデオサーバーを用いたアナログカメラ

初期のデジタルビデオレコーダー(DVRs)は、アナログシステムを改良したものでした。ビデオサーバーが既存のカメラをIPネットワークに接続し、ビデオはIPネットワークサーバーに保管されます。(図2参照)このソリューションでは、劣化したテープから起こる問題が無くなり、継続的にテープを交換する必要もなくなります。

図2:アップグレード:進行中のデジタル革命

このソリューションには、多くの利点があります。

  • ・ ビデオ画像にリモートアクセスが可能なため、中心オフィスに専用のセキュリティモニターを設置する必要がない
  • ・ インターネット接続があれば安全にパスワードで保護されたアクセスが可能
  • ・ カメラおよびその他監視システムの機能を遠隔操作できる
  • ・ 他のシステムのやアプリケーションとも簡単に統合できる
  • ・ 既存のIPネットワークインフラストラクチャや既存のカメラの再活用により、総保有コスト(TCO)が低い
ネットワークカメラベースのビデオシステム

完全なIPベースの監視ソリューションへの移行を完了する次のステップは、ネットワークカメラの導入(IPカメラ)です。企業は必要な数のIPカメラを直接IPネットワークに接続することができます。(図3参照)これによる新たな利点は以下の通りです。

  • ・許可を受けた人のみにアクセスを制限することも、一般に公開することも可能なフレキシブルなビデオアクセス
  • ・ローカルまたはリモートアクセスの双方に対応
  • ・既存のIPネットワークへのカメラ設置が簡単
  • ・カメラ用の高価なコアックスケーブルを使う必要性がない
  • ・映像を見るのに必要なのは、コンピューター、ウェブブラウザーまたは専用ソフトウェアだけ
  • ・データ・音声・ワイヤレストラフィックを使った統一したコミュニケーションネットワークをシェアし、運営・メンテナンス費を軽減する
図3:ネットワークカメラベースのビデオ監視アーキテクチャー

ビデオ監視のためのIPネットワークの利点

ビデオ監視システムのためのIPネットワーク特有の利点について、さらに深く見てみましょう。

信頼性が高く、管理が簡単

監視にIPネットワークを使用する利点の一つは、記録された監視ビデオと映像の完全性と入手可能性を維持することにあります。IPネットワークは、データ喪失を防ぎ、極めて重要なデータのバックアップ行い、停電から迅速に回復するなど、多くの機能を備えています。ネットワーク管理システムは、カメラ、スイッチ、アクセスポイント、ストレージデバイスなど、ネットワークに繋がった全てのデバイスをモニタリングできます。そして、問題が検出されるとアラートやお知らせを自動で作成します。例えば、IPカメラがオフラインになると、ネットワーク管理システムが即座に、管理者がどこにいても警告します。これにより管理者は別のカメラを割り当てて問題のエリアに対応することができます。ストレージユニットが利用できなくなれば、バックアップストレージが自動的に交代するため、記録データが失われることもありません。

フレキシブルなカメラ設置

アナログカメラは、DVRにケーブルを使って直接接続しなければならないため、設置に関する選択肢が限られています。一方IPネットワークカメラは、イーサネットケーブルまたはワイヤレスのアクセスポイントに接続できればどこでも設置可能です。これにより、設置の選択肢が広がり、遠い場所や外にも設置できます。

パワーオーバーイーサネット(PoE)は、アナログビデオシステムでは利用できない機能です。ネットワークカメラとビデオエンコーダーの設置をシンプルにすることに加え、設置およびメンテナンスのコストを下げます。また、IPビデオ監視システムの信頼性が高まります。PoEによって、IPデータを送信するものと同じ標準ケーブルを使って、PoE対応スイッチまたはミッドスパンからIPネットワークデバイスへの電力供給が可能になります。電源供給ラインを別途設置するために、資格のある電気技師を雇う必要はありません。これは、特に設置が困難なエリアにおいて、ネットワークカメラを設置することの大きな利点といえます。

カメラの種類によって必要となる電力は異なるため、各監視エリアが必要とするカメラタイプを判断することが重要です。PoEの標準は15.4Wに対応しているため、ほとんどのネットワークカメラには十分と言えます。ただし、パン・チルト・ズーム(PTZ)カメラの場合、動作に対して動き、ターン、ズームなども検出するため、操作には20~30Wの電力を必要とします。PTZカメラには、PoEプラスが必要となります。PoEプラスは、最大30Wまでを供給する新しい標準タイプです。最新スイッチの多くが、PoEプラスに対応しています。

また、IPネットワークにより、必要に応じて監視地域を簡単に調整できるようになりました。オフラインで他のカメラや備品を設置することなく、追加・移動・除去が可能です。この簡易性と柔軟性が、途切れのない記録データをさらに確かなものとしています。

設置費用とネットワーク障害を最小限にする

膨大な量のビデオ通信によって、IPネットワーク容量を追加する必要がある場合でさえ、IP監視システムは、アナログと比較してネットワーク障害が発生しにくくなります。全てのカメラをDVRに接続するために同軸、ファイバーまたはシールドなしツイストペア線(UTP)ケーブルを必要とするアナログシステムとは異なり、IPベースのカメラは既存のイーサネットポートを活用します。一部のIPカメラは、イーサネット接続を通じて電源供給を受けることができるため、カメラ設置位置に電源供給ラインを引くために必要となる高い敷地工事費用を省き、ネットワーク障害も起きにくくなります。

IPビデオ監視への移行

IP監視システムの構築はシンプルかつコスト効率に優れています。しかしながら、IP監視システムを導入するにあたって、また既存のアナログシステムから高機能のIP監視システムに移行するにあたって、考慮すべき技術要件がいくつかあります。この技術要件には、ネットワーク帯域幅、レイテンシー、ネットワークの機能と容量、ワイア付き/ワイヤレス、ハードディスクストレージ容量、アプリケーションソフトなどが含まれます。

IP監視用ネットワークのデザイン、設置、安全性の確保、最適化には多くの方法があります。ネットワークスイッチは、スイッチやルーターを追加するだけでネットワークの帯域幅容量を簡単に増加できます。一部のスイッチ技術を用いれば、帯域幅使用を最適化することもできます。IP監視システムをフレキシブルで回復力があり、簡単に設置でき、便利に管理できるものにするために考慮できるカメラ、ネットワークスイッチ、ストレージの機能は以下の通りです。

ストレージの必要条件

ビデオには多くのストレージを必要とします。1週間連続して録画できる5つの基本的なカメラで構成される小規模の監視システムでは、1テラバイト(TB)以上のストレージを消費します。高解像度カメラ30台で構成される大規模設置については、最新の圧縮技術を使用したとしても、1週間に2テラバイトものストレージを消費します。幸い、ストレージの1ギガバイトにかかる費用は低下しており、大容量のビデオを保存できるようになってきました。データを保護しつつ、ストレージを増加させるソリューションもあります。内蔵のリダンダント機能と遠隔地の自動バックアップにより、データを消失するリスクを大幅に減らすことができます。

ワイヤレス

ワイヤレスに対応したネットワークカメラは、LANとネットワークカメラをケーブルで接続することが実用的でない場合やこれが困難な場合、または高い費用がかかる場合に魅力的な選択肢です。ワイヤレスネットワークカメラは、建物の外や、ケーブル設置による損傷を避けたい歴史的建造物、スーパーマーケットなどのカメラを新しい場所に定期的に移動させる必要がある場所に適しています。ワイヤレスネットワークカメラが、ワイヤレスコミュニケーションの安全性を高めるIEEE 802.1XやWPA/WPA2(Wi-Fiプロテクテッド・アクセス)といったセキュリティプロトコルに対応していることを確実にします。

セキュリティ

ビデオ監視ネットワークカメラは、レベルの異なるパスワードで保護されたアクセスを提供しなければなりません。例えば、認証を受けた一部のユーザーは、特定のカメラの映像にしかアクセスできないようにして、この他にオペレーターレベルのアクセスが可能なユーザー数名と、管理者レベルの全設定にアクセスできるごく少数の人間にアクセスを分ける必要があります。マルチレベルのパスワード保護の他に、ネットワークカメラではビデオの安全性を保護するために、AES暗号化も利用できます。また、定義したIPアドレスへのアクセスを許可または拒否するIPアドレスフィルタリングや、ネットワークアクセスを制御するIEEE 802.1X、ユーザーアクセスログなども利用できます。

ネットワーク管理

ネットワークが混雑した場合、ネットワークのサービスの品質(QoS)機能が優先順位を切り替え、非常に重要なビデオ用にネットワーク容量を確保します。ビデオトラフィックの優先順位を高くすることで、タイムリーに配信することができます。

ネットワーク上のトラフィックの種類をロジカルに分類することは、ビデオ配信を最適化し、ネットワークセキュリティを高めるもう一つの方法です。バーチャルLAN(VLANs)により、IPネットワークを異なるロジカルなセグメントに分けることができます。ビデオトラフィックをIP電話やビジネスアプリケーションなどの他のデータと分けるために、VLANを使用できます。独自のVLAN上にあるビデオトラフィックは、簡単に管理や優先順位付けができます。

図4:ネットワークカメラベースの単一化IPネットワーク

デジタルビデオ監視のホットマーケット

ビデオ監視市場の大部分は営利事業が占めていますが、他の分野においてもビデオ監視の使用は増加しています。小売業組織では、商店・商品を盗難や暴力行為から守る方法として、IPビデオ監視を導入しています。商店入口前、商品棚、レジなどのポイントにIPカメラが設置されています。建物の外に高額な商品があり、強盗や悪天候の被害を受けやすいカーディーラー店などは、IPビデオ監視を活用すべき良い例です。オペレーターは、自分のオフィスからでも、他のどんな場所からでも、インターネット接続を通じてカメラをモニタリングできます。

病院も、IPビデオ監視の人気市場の一つです。病院では、患者とスタッフの安全性の確保、スタッフの生産性の改善、そして盗難の危険があるエリアのモニタリングなどで、監視が行われています。

概要

IPビデオ監視には、低いTCO、簡単な設置、リモートアクセス、その他多数の利点があることから、更に多くのビジネスでビデオ監視が取り入れられています。過去にアナログベースのCCTVシステムを利用した組織が、完全なネットワークベースのデジタルシステムへと移行しています。ビデオ監視専用の部屋や、高価な備品を整える余裕のなかった事業は、従来のシステムにかかった費用のほんの一部でIPカメラを設置し、ビデオ監視がもたらす高い安全性と安心を手に入れています。

洗練されたネットワークビデオ監視記録のためのネットギア READYNAS監視

小規模ビジネスや企業の支社などでは、物理的な財産を守るセキュリティが必要とされますが、確固としたセキュリティに関する専門知識や多額の予算が不足している可能性があります。ネットギアでは、洗練されたネットワークビデオ記録(NVR)ソフトウェアを使い、市場をリードするストレージとスイッチングソリューションを組み合わせることにより、簡単に取り入れて管理することができる強力なソリューションを提供しています。

使いやすいNVRシステムを実現するには、高速かつ柔軟性の高い構成と、簡単な操作性を組み合わせる必要があります。ウェブベースの管理は、少ないシンプルなステップで導入することができ、ユーザーがどこにいてもビデオの構成・モニタリング・プレイバックができるようになっています。UPnPサーチ、自動カメラ検出、GUIスケジュールによりセットアップ時間を短縮しながら、一方で簡単なドラック&ドロップカメラ、自動スキャン、プリセットポイントパトロール、マルチビューによって、ユーザーに最高のモニタリング体験を提供します。

成長するビジネスの要求に応えるネットギア PROSAFE POEスマートスイッチ

ネットギア ProSAFE PoEスマートスイッチはビジネスネットワーク用にデザインされており、複雑化や多額の費用をかけることなく、高いパフォーマンスとネットワークインテリジェンス、そして信頼性を提供しています。ProSAFE PoEスマートスイッチは、改善されたトラフィック管理により、ネットワークが混雑した場合でも、ストリーム配信ビデオなどのビジネスにおいて非常に重要なトラフィックを効率的に配信します。スイッチをオフラインにすることなく、スイッチ容量を追加できます。また、PoEサポートによって、電源コンセントのない場所でもIPネットワークカメラを簡単に設置できます。ネットギアスタッカブルPoEギガビットスマートスイッチは、PoEプラス標準をベースとして最高30Wの電力を供給できます。つまりハイエンドのPTZカメラには十分な電力を供給できるのです。

ネットギア PoEスマートスイッチがあれば、組織はオーダリング、デザイン、実装などを簡略化できます。全てのスマートスイッチは可用性が高く、構成、モニタリング、トラブルシューティングを簡易化する一方でアップタイムを最大化する、「スマート」管理機能が備えられています。

ビデオ監視の設置は、新しいオートビデオVLAN機能により、より簡単になっています。オートビデオVLANにより、オペレーターは割り当てられた優先順位とセキュリティ構成を使ってビデオVLANを選択してから、ネットワークカメラをネットワークにつなぎます。ProSAFEスマートスイッチが自動的にカメラを検出し、事前に定義したVLANに割り当てます。一つのシンプルなステップで、ビデオ監視システムの準備が整います。

システムインテグレーターは、ネットギアスマートスイッチを使って世界中で数万のカメラを管理しています。パフォーマンス、価値、信頼性の面からネットギアが選ばれました。ネットギアを使うことで、インテグレーターは顧客に説得力のある価値を伝えながら、最新鋭の機器の提供と実績のある成功を実現する助けとなれます。

簡単なデジタルビデオストレージのためのネットギア READYNAS

圧縮ビデオでさえ、多くのストレージを必要とします。ネットギア ReadyNASアドバンストネットワークストレージソリューションは、IP監視などビジネスにおいて非常に重要なアプリケ―ション向けに、信頼性が高く高性能のネットワーク接続ストレージを提供します。ReadyNASにより、ダウンタイムゼロで簡単に容量を追加し、拡大するストレージ要件に適合しながら、認証を受けたユーザーが場所を問わず、シンプルにデータにアクセスできます。ReadyNASは、複数のハードウェア耐障害性機能とオンラインバックアップや安全なオフサイト複製などのソフトウェア機能を組み合わせることで、情報を守ります。

信頼性の高いワイヤレスビデオのためのネットギア PROSAFE®ワイヤレスアクセスポイントおよびコントローラー

ネットギア ProSAFEは、高度な速度およびレンジを可能にしながら、包括的な安全性を実現する幅広い範囲のアクセスポイント(APs)とコントローラを提供しています。簡単に使用できるグラフィカルユーザーインターフェースを組み合わせたワイヤレスAPsのPoEサポートにより、迅速かつ簡単に設置できます。

ネットギア、ネットギアロゴ、ProSAFE、ReadyNASは、ネットギア, Incと、アメリカ合衆国およびその他の国にある子会社の登録商標です。本書に言及されているその他のブランド名は、これを特定するために使われているものであり、それぞれの所有者の商標である可能性があります。情報は予告なしに変更されることがあります。©︎2014 ネットギア, Inc. All rights reserved.